野田高梧は『蓼科日記』とは別に、多くの手帳、日記を残しました。これは、野田の長女・山内玲子の筆跡による「静保存」と表書きした菓子箱から見つかった、現在のところ大小46冊の手帳、ノート、日記の類で、そこには仕事や生活上のメモや、さまざまな覚書、またシナリオライターが折に触れて記すいわゆる「ミソ帳」的な記述が細かい字でびっしりと記されています。
「野田高梧記念蓼科シナリオ研究所」では、これらの資料を保存した故・野田静と故・山内玲子の遺志に鑑み、これらを野田の死後50年を期して、翻刻・公開することとしました。
そこには、来訪者共同の日記である『蓼科日記』ともまた異なるニュアンスで野田の日々が書かれ、またなによりも野田の脚本家としての驚嘆すべき勉強ぶりが表れており、これは「野田研究」、また「戦後映画研究」ひいては「小津映画研究」に欠かせない第一級の資料と言えます。
このたび、東京工業大学助教・宮本明子さんの多大なご協力のもとに、「野田の手帳」翻刻全文を順次公開して、広く研究者、また「野田ファン」「小津映画ファン」の新たな知見に供したいと思います。
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野田高梧記念蓼科シナリオ研究所
渡辺千明